先日、原付二種スクーターのアドレス125(DT11A)にモードセレクトスイッチを接続して現在と過去の故障を診断しました。
今回はそのエラーコード(DTC)の表示と削除の方法をお伝えします。

小石健と申します。YouTubeチャンネルはこちら。
エンジンコントロールシステムとは
今回の内容はYouTubeに動画もアップしているので、よければこちらもご覧ください。
アドレス125の点火や燃料噴射などのエンジン系統の制御を担うのが「エンジンコントロールシステム」です。
その頭脳にあたるのが「ECM(Electronic Control Module)」というコンピュータで、各種センサーやスイッチから送られる信号に基づき上記の電子制御を行い走行を最適化します。
また、ECMはフェイルセーフ機能と自己診断機能があります。
今回はこの自己診断機能を使ってわがアドレス125の異常を探るというわけです。
DTCとは
そのECMのメモリに記録されるのが「DTC」です。
DTCとは「Diagnostic Trouble Code」の略で、自己診断するための故障コードを指します。
アドレス125(DT11A)の場合、MIL(エンジン警告灯)の点滅パターンによりコードが分類されます。
これらのコードが表示されるのは、センサーやスイッチからECMに正常な信号が送られていないということです。
そしてMILが表示したコードの種類により、その故障箇所や故障状態を探ることができる、という仕組みになっています。
モードセレクトスイッチの接続
以上、小難しい理屈を述べましたが、要するに自己診断機能を使ってエンジン警告灯が点滅したらエンジン系統のどかしらに異常がある、ということです。
その故障コードを表示させるために「モードセレクトスイッチ」をアドレス125に接続します。
型番は「09930-82720」です。
スズキの純正品かは不明ですが、サービスマニュアル指定の型番なので問題なく使えます。
モードセレクトスイッチは構造自体簡単で自作できるそうですが、知識のない私は既製品をネットで購入しました。



1500円ほどでした。
接続箇所はバッテリーのわきにあるモードセレクトカプラーです。


まず、カプラーの出っ張りを押し下げてフタを外してからモードセレクトスイッチを接続します。


バッテリーの交換については下の記事をご参照ください。
ほかに「SDS-II」という故障診断機がありますが、これはスズキの契約販売店しか使えないそうです。
個人の素人が手に入れても使えないので、中古で販売されていても手を出さない方がいいかと思います。
現在故障のDTC表示
現在の故障を示すDTCを表示させるには、モードセレクトスイッチ接続後に以下の手順を行います。
- エンジンを始動する(または4秒以上クランキングする)。
- モードセレクトスイッチをONにする。
これでエンジン警告灯が点滅すれば、エンジン系統のいずれか(あるいは複数)に何かしらの故障があるということです。
その点滅パターンをサービスマニュアルのDTC一覧表に照らし合わせて、故障箇所と症状を確認します。
過去故障のDTC表示
過去の故障を示すDTCを表示させるには、モードセレクトスイッチ接続後に以下の手順を行います。
- モードセレクトスイッチをONにする。
- スロットルグリップを全開まで回したままにする。
- イグニッションスイッチをONにする。
- 「2」を1秒以上保持する。
さきほどの現在故障と同様にエンジン警告灯の点滅パターンを確認します。
私の場合、エンジン警告灯がまず短い間隔で4回点滅し、少し間をあけて再び4回点滅しました。


よってエラーコードは「44」とうことで、サービスマニュアルのDTC一覧表の「C44」にあたります。
これはO2センサー回路の故障で、「エンジン回転中および走行状態で、センサ電圧が入力されない状態が50秒以上継続した場合」にこのコードが表示されるとこのことです。



これは思い当たるフシがあります。
というのも、以前リアタイヤを交換したあと、O2センサーのカプラーを外したままアドレス125を走行させてしまったことがあります。
その際、エンジン警告灯が点灯し、カプラーが外れていることに気づきました。
幸いカプラーを接続したあとエンジン警告灯は消え、その後何事もなく走行し続けることができています。
このときの「過去故障」をECMが記憶していた、ということです。
アドレス125の自己診断機能
ちなみに、上記のカプラーが外れていたときのように、エンジン警告灯が「点灯」した場合は車両の運転は継続できますが、「点滅」の場合はエンジン始動不可となり運転することはできません。
これをモードセレクトスイッチを使った診断の「ディーラーモード」に対して「ユーザーモード」といいます。
アドレス125の自己診断機能にはこの2つのモードがあり、今回行うのは「ディーラーモード」になります。
現在故障のDTC削除
故障でなくとも、各種センサーのカプラーを外した場合はECMにDTCが記憶されます。
なので、故障を修理したあとはもちろん、カプラーを外したあとも都度DTCを削除したほうがよさそうです。
現在故障のDTCを削除するには以下の手順を行います。
- エンジンを始動する。
- イグニッションスイッチをOFFにする。
- 「1」と「2」の動作を3回以上繰り返す。
これでエンジン警告灯が消えれば現在故障は削除されます。
過去故障のDTC削除
過去故障のDTCを削除するには以下の手順を行います。
- 過去のDTCの表示中にモードセレクトスイッチをOFFにしたあとすぐに1秒以上ONにする。
- この動作を4回以上繰り返す。
これでエンジン警告灯が消えれば過去故障は削除されます。
これで故障を診断しやすくなる
「車両に何か異常があるけど、どこがおかしいのかわからない」ということがあります。
今回のモードセレクトスイッチを使った自己診断機能(ディーラーモード)により、その箇所と症状がわかるかもしれません。
部品の簡単な交換で直れば、プロに頼むよりもお金を節約することができます。
とはいえ、素人にできることは限界があります。
エラーコードは表示されたけど、どうしていいかやっぱりわからない、という場合はおとなしくプロに任せた方が良さそうです。



コメント