前回はアドレス125(DT11A)のスロットルバルブの周りを掃除しました。
しかしエンストは改善されなかったので、後日ISCバルブの周りを掃除しました。今回はその模様をお伝えします。
なお前回同様スロットルボディー本体は取り外さない簡易版となります。

小石健と申します。YouTubeチャンネルはこちら。
ISCバルブとは?
今回の内容はYouTubeに動画もアップしているので、よければこちらもご覧ください。
前回スロットルバルブの掃除をしたあとネットでエンストの原因を探ったところ、どうもISCバルブが臭いことがわかりました。
というか、症状的にコレしかないと確信。
バイクの「ISCバルブ」とはGoogleのAIによると、下記のとおりです。
「バイクのISCバルブ(アイドルスピードコントロールバルブ)とは、エンジンのアイドリング時の回転数を安定させるための部品です。スロットルバルブとは別に、空気のバイパス通路を設け、その通路の空気量を調整することで、エンジンが冷えている時やエアコン使用時など、様々な状況で適切なアイドリング回転数を保ちます。」
文字どおりアイドリングを安定させるための装置で、ここにカーボンなどの汚れがたまることでエンストが引き起こされる…というのはスロットルバルブと同様らしい。
なのでスロットルバルブだけでなく、ISCバルブも掃除すればエンストが改善されるかもしれないと思った次第です。
ISCバルブを取り外す
今回はひとつ注意事項があります。
ISCバルブを分解した場合、ISC開度の学習値をリセットする必要があるとのことです。
意味がよくわからないので今回は無視しました。
ということで、前回同様エアクリーナボックスアウトレットチューブを外した状態からスタートします。
まず、出っ張りを押しながらISCバルブカプラを外します。


次にその反対側にあるネジをプラスドライバーで取り外します。
ドライバーは長いとつっかえてしまうので、私はこの短い物を使いました。
このドライバーの刃先はネジのNo.1から3まで対応しているそうで、このネジの頭にもしっかり収まりました。
ただ場所が狭く、力が入れづらい。結局バイスプライヤーでこのドライバーの柄を挟んでなんとかネジを回しました。
あとはISCバルブをまっすぐ引き抜いて外します。


ISCバルブの下のIAP/TP/IATセンサーは絶対に取り外してはいけないそうです。
ISCバルブを掃除する


ISCバルブの以下のパーツを取り外します。
- スプリングを回しながら外す。
- Oリングを外す。
- プランジャを回しながら外す。
私はスプリングはパーツクリーナーで、OリングとISCバルブは乾拭きで掃除しました。



バルブは端子があるから怖い…。
Oリングは再利用不可ですが、今回はそのまま利用します。
エンジンコンディショナーを使う
次にスロットルボディー側を掃除します。
今回はKUREの「エンジンコンディショナー」を使います。
スロットルボディーに洗浄剤を直接かけてはいけないそうですが、今回はこれを吹きかけて汚れを根こそぎ落とそうと思いました。



自己責任で…。
まず液剤が漏れないよう、ISCバルブとスロットルバルブの出口その他を養生します。
缶をよく振って、ISCバルブ側にエンジンコンディショナーを拭きかけます。


泡が消えたら残った液剤を拭き取る…というのを黒い汚れが無くなるまで数回繰り返しました。
ちなみに、スロットルバルブが閉じた状態でもISCバルブは通り穴を通じてエンジンへの空気を確保しているそうです。
そのためスロットルバルブ・ISCバルブ・インテークパイプはそれぞれ通じていて、エンジンコンディショナーもその穴を通って各所を洗浄するはず。
よって前回掃除したこともあって、スロットルバルブ側はやらなくてもいいかと思いましたが、念のためこちらにも同様にエンジンコンディショナーを吹きかけました。


そんなこんなで、掃除前後の状態がこちら。


ブラシでこすってもいないのに汚れが落ちてピカピカになりました。
スロットルバルブも前回よりキレイになったようです。


ただし内部の各所のセンサー類は養生していないので、そこが気がかりではあります。
ISCバルブを取り付ける
掃除が終わったらISCバルブを組み付けます。
Oリングに薄くエンジンオイルを塗り、ISCバルブの段差に当たるまで取り付けます。


そしてプランジャを回して取り付け長さを標準値の49.9~50.5㎜に調整します。



私は間をとって50.2㎜にしました。
スプリングを手で回して取り付けたら、バルブをまっすぐ挿入します。
これが難儀で、取り付け長さを再調整してやり直しました。
プランジャシートにスプリングエンドを合わせる、とのことですが結局よくわかりませんでした。
金具を溝とバルブの出っ張りに合わせて取り付け、ネジを5N・mで締め付けます。


カプラを接続したら、ISC開度の学習値をリセットします。



これがよくわからない…。
それには「SDS-II」という機器が必要らしく、ネットで調べたところ価格は6万円ほど。
8万㎞弱走ってそこまでするならバイク自体買い換えた方がいいような気がします。
またエンジン警告灯も点いていない状態でリセットしないからといって、致命的な故障につながることはない…はず。
と思ったので私は無視しました。
ということで、スロットルバルブのチューブを取り付けたら、ひとまず終了です。
エンジンをかけたところ…


前回同様、まずはスタータースイッチでエンジンをかけました。
スロットルを開けたままでないとエンストしてしまいましたが、今回はそこからグリップを戻してもアイドリングをキープし続けています。



直った…。
キックも一発でかかるようになりました。
マフラーからの白煙が出なくなるまでエンジンを回したら、最後にシートとヘルメットボックスを取り付けて完了です。
スロットルバルブもISCバルブもそんなに汚れてはいないように見えましたが、こうも変わるかと驚きました。
やはりこの辺りも定期的にメンテナンスした方がいいと痛感しました。
とはいえエンストが「完治」したとは思えず、とりあえずこれで様子見するという状態です。
今後も何かあればお伝えしたいと思います。
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