原付二種スクーターのアドレス125(DT11A)のフロントタイヤを先日自分で交換しました。
交換自体はなんとかできましたが、自力でビードを上げることはできませんでした。
今回はその模様をお伝えします。
小石健と申します。YouTubeチャンネルはこちら。
フロントタイヤを購入
今回の内容はYouTubeに動画もアップしているので、よければこちらもご覧ください。
自力でのタイヤ交換は走行距離56145kmにて初の作業となります。
リアは不安が大きいので、以前ホイールを外したことのあるフロントから行いました。
アドレス125のサービスマニュアルによると、フロントタイヤのトレッド(溝)の深さは1.6mmが使用限度となります。
また、トレッド表面にウェアインジケータ(スリップサイン)が現れた場合は、タイヤを交換する必要があるとのことです。
私の場合はまだ乗れそうな気がしますが、新しいタイヤを購入しました。
ダンロップの「D307」で、Amazonベストセラー1位ということで選びました。
アドレス125(DT11A)のフロントタイヤのサイズは「90/90-12 44J」(チューブレス)です。
購入時はサイズの選択にご注意ください。
それぞれの英数字の内容は上図のとおりです。
私には意味は分からないので、各自検索されたい。
フロントホイールを取り外す
まずはフロントホイールを取り外します。
詳細は下の記事をご参照ください。
作業の行程は以下のとおりです。
- ブレーキキャリパマウンティングボルト(12mm)2本を取り外す。
- キャリパを取り外す。
- フロントアクスルナット(14mm)を取り外す。
- ジャッキで前輪を浮かせる。
- フロントアクスルを引き抜きフロントホイールを取り外す。
- スピードメーターギヤボックスを取り外す。
- スペーサを取り外す。
ブレーキディスク交換の際はスピードメーターのケーブルを引き抜きましたが、今回はギヤボックスのみ取り外しました。
なお、フロントアスクルナットは再使用不可のため、新品を用意する必要があります。
タイヤの空気を抜く
ホイールを取り外したら、タイヤの空気を抜きます。
エアバルブのキャップを外し、虫回しでバルブコアを取り外します。
上図のように、それぞれの先端の凹凸を合わせて回すとバルブコアを取り外すことができます。
その際は空気が勢いよく吹き出てくるので、バルブコアを飛ばして紛失しないよう注意が必要です。
ビードを落とす
タイヤの空気が抜けたら、ビードを落とします。
「ビード」とはタイヤの内周部分のことで、ホイールのリム(縁)に固定することにより空気漏れを防ぎます。
チューブレスタイヤの場合、この部分に隙間ができると空気が入らなかったり漏れたりしてしまいます。
体力の消耗を避けるため、まずは上図のように足で踏みつけてビードが落ちるか試しました。
ビクともしません。
私の体重は約60kg。これくらいで落ちるなら走行中もバコバコ落ちるわけで、それはそれで困ります(というか死ぬ)。
そこで使用するのがタイヤレバーです。
これは力を要する作業なので、安物買いの銭失いにならないよう、Daytona(デイトナ)の良さげな物を購入しました。
付属のリムガードは結局使いませんでしたが…。
両ひざでタイヤを押さえ、レバー2本をビード部に挿し込み上下して、テコの原理でタイヤを押し下げます。
すると「ボコッ」という音と感触がしてビードが落ちるのが分かります。
あとはタイヤを裏返して、同様に反対側のビードも落とします。
タイヤを取り外す
両側のビードを落としたら、タイヤをホイールから取り外します。
これもタイヤの一方を両ひざで押さえ、その反対側にレバーを挿し込みます。
「外す」というより、テコの原理を使ってレバーで「めくる」という感じです。
なお、レバーを挿し込む箇所のホイールの縁にリムガードをはめることで、ホイールの傷を防ぐことができますが、前述のように私は結局使いませんでした。
タイヤの脱着はすべてレバー2本で行いました。
コツはレバー同士の距離を空け過ぎずに少しずつタイヤを外していくことです。
そして、ひざとレバーの距離が近くなったら、タイヤを回してまたその距離を遠ざけて新たにレバーを挿し込んで外していく…というのがやりやすいかと思います。
片側が完全に外れたら、タイヤを裏返して反対側も外します。
こちらはレバーでタイヤとホイールの隙間を貫いて、テコの原理でホイールを押し出すようにして外しました。
最後は力任せで外しました。
エアバルブの脱着
今回はエアバルブも交換するので、以前の物はカッターで切り離して取り外しました。
ホイールを掃除したあと、新しいバルブを取り付けます。
空気の入れやすいL字型の物にしました。
前述と同様の手順で、キャップとバルブコアを取り外します。
エアバルブのリップ部にビードクリームを塗ります。
ビードクリームはタイヤの取り付けにも使用しました。
1kgといった大容量の物もありますが、使い切ることは一生なさそうなので、とりあえず40gの物を購入。
エアバルブをホイールの穴に通したら、プラスドライバーでバルブの底を押し込みます。
はまったら根元にガタつきがないか、接続具合を確認します。
ちなみに、エアバルブの向きは後輪と同じにしました(先端がスピードメーターギアボックス側)。
タイヤを取り付ける
タイヤの取り付けは、まず回転方向指示マーク(下図赤丸)とホイールの回転方向を合わせます。
次にタイヤの軽点マーク(下図矢印)をエアバルブ位置に合わせます。
そして、新しいタイヤの片側のビード部にビードクリームを塗り、ホイールに取り付けます。
私は取り外したタイヤを下敷きにして、ホイールを上にしました。
片側はわりとラクでした。
完全に取り付けたら、裏返して軽点マークとバルブ位置を改めて合わせ、ビードクリームを塗り同様に取り付けます。
しかし、こちら側の取り付けが今回一番の難所でした。
なんとか取り付けることができましたが、夏にやっていたら確実にバテているところでした。
夏以外の季節に交換するのをおすすめします。
あと、私は使いませんでしたが、取り付け作業もホイールが傷つくので、できるならリムガードも使った方がいいかと思います。
ビードを上げる
タイヤとホイールに異常がないか確認したら、タイヤのビードを上げます。
ビードを「上げる」とは、さきほどの「落とす」のと逆で、ホイールのリムにビードを固定させることです。
これにはエアコンプレッサーを使うのが最良だと思いますが、ビンボーの私は以前購入した手動のポンプを使うことにしました。
さすがにこれのみだと厳しいらしく、新たにラッシングベルトを購入。
私は長さ3mの物を購入しましたが、2mで充分でした。
これをタイヤの中央に巻いて締め付けます。
ベルトで固定することにより、ビードが上がりやすくなるそうです。
あとはひたすら手動で空気を入れていきます。
しかし…
いくらシュコシュコしても、タイヤはピクリとも動きません。
バルブコアを取り付けたりタイヤの向きを変えたりと、1時間ほど試行錯誤しましたが結局ダメ。
そもそもビード部の隙間から空気が漏れていることが分かりました。
取り付け前のタイヤの形が悪かったのか、どうあがいても空気が溜まりません。
これは無理、ということでガソリンスタンドにタイヤを持参し、エアコンプレッサーを借りることにしました。
一発でビードが上がりました…。
空気の漏れる量より入る量が圧倒し、みるみるタイヤが膨らみました。
最後に「パンパン」と乾いた音がしてビードが上がったのが分かります。
タイヤの空気圧を調整する
あとは空気漏れがないか確認します。
ビード部やエアバルブに食器用洗剤を混ぜた水を吹きかけたところ、漏れは見当たりませんでした。
異常がなければきれいに拭いて、空気圧を調整します。
アドレス125(DT11A)のフロントタイヤの標準値は150kPaです(1名乗車)。
これも以前購入したエアゲージを使いました。
ビードさえ上がれば、エアゲージとさきほどの手動のポンプで調整はできます。
詳細は下の記事をご参照ください。
ホイールを取り付ける
エアバルブのキャップを締めたら、最後にホイールを取り付けます。
作業の行程は取り外しとだいたい逆の手順となります。
前述のように、アクスルナットは新品を取り付けます。
以上で完了です。
念のため翌日も空気圧を測ったところ、変化はありませんでした。
走行も問題ありません。
今回は完全に自力で交換できなかったので、次回はリアでリベンジしたいと思います。
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