ブログを始めるにあたって大事なのは「ジャンル選び」かと思います。
なぜならGoogleが厳しい品質評価基準を定めていてるジャンルがあるからです。
「知らずにガイドラインに抵触するジャンルを選んでいた…」
ということがないよう、今回は個人の初心者が選ぶべきでないジャンルについてお伝えします。
主に収益目的でブログを始めようと思っている方のご参考になれば幸いです。
小石健と申します。YouTubeチャンネルはこちら。
Googleの定める「YMYL」とは?
Googleが定めた「検索品質評価ガイドライン」というものがあります。
このなかに「YMYL」という言葉があります。
「Your Money or Your Life」の略称で、主に人の財産や生命に関わるジャンルのことです。
Googleはユーザーの利便性を第一に考えています(「Googleが掲げる10の事実」より)。
検索結果に信憑性の低いコンテンツやデマが表示されてしまうと、ユーザビリティを損ねるどころか、ユーザーの財産や生命を脅かしかねません。
こういった事態が頻発すると、ユーザーの利便性はおろか、ひいてはGoogleの社会的信用が下がってしまいます。
「検索品質評価ガイドライン」はそうならないための、Googleの検索結果に良質なコンテンツが表示されるための指針です。
YMYLはそのなかで、品質が特に厳しく精査されるジャンルということになります。
YMYLと「ジャンル選び」については下の記事でも触れています。
YMYLはなぜ稼げないか
「検索品質評価ガイドライン」の冒頭には、Googleの基本方針が記述されています。
「検索結果は人々を助けるものでなければなりません。」
「検索結果は信頼できる情報を提供する必要があり、誤解を招くコンテンツで人々を迷わせてはなりません。」
検索品質評価ガイドライン
当然、信頼できない情報やデマは排除されるということです。
それだけでなく、Googleに評価されるには「信頼性」に加えて「専門性」と「権威性」も必要です。
たとえば、医学については以下のように記述されています。
「医学的検索の結果は、高品質で、権威があり、信頼できるものでなければなりません。」
同上
この「専門性・権威性・信頼性」は「Expertise-Authoritativeness-Trustworthiness」の頭文字をとって「E-A-T」と略称されます。
医学だけでなく、YMYLのジャンルは「E-A-T」の要素を満たさなければGoogleに評価されません。
Googleの検索結果の上位に表示されない。
ということです。
そして個人の場合、E-A-Tが担保できないためYMYLで勝負するのは無理があります。
なぜなら、YMYLでGoogleの検索上位に表示されるのは、公的機関や医療法人・大手企業のサイトばかりだからです。
なので、PVを集めてアフィリエイトや広告で収益を得ようとする個人の場合、YMYLによってまったく稼ぐことができなくなるおそれがあります。
それは強い競合が多い、または検索で上位表示されないため「有用性の低いコンテンツ」とみなされてしまうのが理由ではないかといわれています。
YMYLに抵触するジャンル
YMYLについては「検索品質評価ガイドライン」の「2.3」(11ページ目)に詳しく記載されています。
全文英語ですが、翻訳サイトで訳せば理解できるかと思います。
大事なことなので直接目を通した方がいいでしょう。
これによると、「人々の健康・経済的安定・安全・または公共の福祉」に大きな影響を与える可能性があるトピックがYMYLです。
下記のように、ジャンルとして「健康または安全」「金融セキュリティ」「社会」「その他」の4つに分けられています。
健康または安全 | 心身の健康または物理的な安全やオンラインの安全など、あらゆる形態の安全を損なう可能性のあるトピック。 |
金融セキュリティ | 個人や家族を養う能力を損なう可能性のあるトピック。 |
社会 | 人々のグループ・公益の問題・公的機関への信頼などに悪影響を与える可能性のあるトピック。 |
その他 | 人を傷つけたり公共の福祉に悪影響を与えたりする可能性のあるトピック。 |
今回更新されたガイドラインには明記されていませんが、おそらく「人種」や「性別」といった差別につながるトピックは「社会」に入るかと思います(後述)。
また、これらに及ぼす悪影響の内容は以下の2点を指します。
- 自傷行為・犯罪行為・または暴力的な過激主義に関連すること。
- 不正確で信頼に値しないこと。
そして以下の具体例があげられています。
- 心臓発作の症状
- お金の投資方法
- 地震の対処方法
- 投票
- 運転免許などの資格
健康・金融・災害・政治・資格等、いずれも人生や社会に大きな影響を与えるジャンルです。
これらの重大な事象に対して過激で不正確な情報が流れないよう、Googleは高い品質評価基準を設けている、ということです。
さらにガイドラインには、トピックの種類別にYMYLへの抵触具合を記した表が載っています。
たとえば「レビュー」のトピックでは下記のような具合になっています。
- 「薬の購入」は明確なYMYLのトピック。
- 「車のレビュー」はYMYLのトピックかもしれない。
- 「鉛筆の購入」はYMYLのトピックではない。
人の健康や安全への関連性によって、そのトピックがYMYLかそうでないかがうかがえます。
これも興味深いので目を通した方がいいかと思います。
「検索品質評価ガイドライン」の更新(2022.7.28)
以上の内容は、なにやら曖昧な表現に感じます。
たとえば健康なら「サプリはNGで筋トレはOK」といった細かなジャンル分けをしてほしいと思います。
この辺は自分で調べるしかないようです。
これらのガイドラインはたびたび更新されていて、今回紹介するのは2022年7月28日に更新されたものです。
以前はYMYLのジャンルは6つに分かれていて、たとえばそのなかの「人々のグループ」では人種や民族・性別・年齢等、わりと細かいトピックがあげられていました。
今回のGoogleの意図は私にはわかりませんが、ガイドラインの更新によってYMYLのジャンルやコンテンツの品質評価基準も少しずつ変わっていくようです。
しかし、評価基準が厳しくなろうが緩くなろうが、どちらにせよ私のような個人ブロガーは今後もそれらのガイドラインに従わざるを得ません。
また、今は大丈夫なジャンルでも、将来危うくなる可能性もあるので、そういった動向にも注意する必要があります。
YMYLのジャンルの見分け方
そんな曖昧なYMYLのジャンルですが、見分け方があります。
「Googleで検索する」です。
たとえば医学では「新型コロナウイルス」と検索すると、1ページ目に表示されるのは以下のような公的機関のサイトばかりです。
- 厚生労働省
- 内閣官房
- 首相官邸ホームページ
- 各自治体のサイト
2ページ目でも、それらに混じってNHKや朝日新聞・国立感染症研究所といった大手マスコミや専門機関のサイトしかありません。
このような分野で個人が勝負するのは、どんなに正確で良質な記事を書いたとしても無理があります。
こういう具合に、少しでも怪しいと思ったジャンルは検索してみて、上位を公的機関や大手企業のサイトが占めていないか確認します。
そのような場合は、個人の初心者がどうこうできる話ではないので、あらかじめ参入しないのが無難です。
YMYLの対策
YMYLに参入しないのが初心者には大事な戦略だと思いますが、それでもYMYLで勝負したいという場合は以下の対策が考えられます。
- 起業して専門機関としてのブログを開設する。
- 専門機関や専門家(病院や医者など)にブログを監修してもらう。
- 検索ではなくSNSからの流入を見込む。
しかし、ブログのために専門機関を開設するのは現実的ではありません。
また専門家とのコネクションを得るのがE-A-Tとして本当に評価されるのかは不明です。
これならGoogle検索は関係ありません。
ただし、それには多くのフォロワーと影響力がないと難しいでしょう。
初心者は無理せず最初から安全なジャンルでブログを書いていくのが精神衛生の点でも良さそうです。
たとえば以下のジャンルがあげられます。
- エンタメ(漫画・アニメ・映画・音楽・ゲームetc.)
- 書評
- 日記
- ファッション
- レジャー(キャンプ・釣り・登山etc.)
- 料理
- 家具・家電
- 恋愛
もちろんYMYLに抵触しなくても稼げないジャンルはあるので、いずれにせよ戦略は必要となります。
YMYLまとめ
以上、ブログ初心者が選ぶべきでないYMYLについて解説してきました。
まとめると以下となります。
- YMYLとは「人々の健康・経済的安定・安全・または公共の福祉」に大きな影響を与える可能性があるトピックのこと。
- YMYLのジャンルは「健康または安全」「金融セキュリティ」「社会」「その他」の4つに大きく分けられる。
- 「検索品質評価ガイドライン」はたびたび更新されるので変更内容に注意。
- Googleの検索品質評価を得るには「専門性・権威性・信頼性(E-A-T)」が必要。
- 個人の初心者がYMYLで勝負するのはかなり難しい(というか無理)。
- 初心者はYMYLに抵触しないジャンルを選ぶのが無難。
ブログを始めるにあたっては「ジャンル選び」がかなり重要となります。
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